配膳ロボットは省力化投資補助金の対象です【2026年版】
飲食店・ホテル・給食施設などで急速に普及する配膳ロボットは、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)の補助対象です。補助率は1/2〜2/3、補助上限額は従業員規模に応じて最大1億円(一般型)まで受けられます。
配膳ロボットを補助金で導入するメリットは大きく3点です。
- 初期費用の削減:1台あたり100〜400万円の導入費の1/2以上を補填でき、自己負担を大幅に抑えられる
- 人件費・採用コストの恒久的削減:ホール業務の一部をロボットが担うことで、慢性的なアルバイト不足への根本対処になる
- 賃上げとの両立:補助金の要件である賃上げを、省力化で生まれた余力で実現できる
配膳ロボットが省力化投資補助金の対象である根拠
中小企業省力化投資補助金の公式製品カテゴリ検索には「配膳ロボット」カテゴリが設けられており、PUDU・KEENON・BellaBot・パナソニック製品など多数の機種が登録済みです。飲食業に限らず、社内食堂・ホテル・病院・老人福祉施設なども対象事業者に含まれます。
(出典:中小企業省力化投資補助金 製品カテゴリ検索 https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/product_catalog/search/ )
カタログ注文型と一般型の違い:配膳ロボット導入で使うべきはどちら
省力化投資補助金には「カタログ注文型」と「一般型」の2つの類型があります。配膳ロボット導入ではどちらも使えますが、選択のポイントが異なります。
| 比較項目 | カタログ注文型 | 一般型 |
|---|---|---|
| 対象機種 | 公式カタログ登録済みの機種のみ | カタログ未登録の専用機・カスタム機も可 |
| 補助率 | 1/2以内 | 1/2以内(賃上げ特例で2/3) |
| 補助上限額(21人以上) | 1,000万円(特例1,500万円) | 5,000万円〜1億円(規模・特例による) |
| 申請受付 | 随時受付(通年) | 公募回制(年4〜6回) |
| 事業計画書 | 簡易様式(審査不要) | 詳細な事業計画書が必要 |
| 審査方式 | 先着順(要件確認のみ) | 採点審査あり |
| 採択率目安 | 要件を満たせばほぼ採択 | 40〜60% |
| 推奨ケース | 個人経営〜中規模飲食店(主流) | チェーン店・大型施設・特殊仕様機種 |
結論:多くの飲食店・施設にとってはカタログ注文型が現実的な選択です。まず導入したい機種が公式カタログに登録されているかを確認し、登録されていれば随時受付のカタログ注文型で申請するのが最短ルートです。
カタログ注文型の仕組みとは:飲食店が知っておくべきポイント
カタログ注文型は、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が事前に審査・登録した製品カタログから省力化設備を選び、申請する方式です。通常の補助金のような厳格な審査がなく、要件を満たせば先着順に採択されます。
飲食店が把握すべき3つのポイントは次のとおりです。
- カタログ登録機種を選ぶこと:カタログに登録されていない機種は対象外。申請前に必ず公式カタログ検索で確認する
- 随時受付なので締切なし:公募回を待つ必要がなく、準備が整い次第いつでも申請できる(ただし予算上限があるため早期が有利)
- 交付決定前の発注は補助対象外:見積取得はOKだが、採択通知を受ける前に発注・契約すると一切補助されない
最多トラブル:採択前の発注
省力化補助金で最もよくある失敗は、「補助金が使えると思って先に発注してしまった」というケースです。交付決定通知を受ける前の発注・購入・工事着工は全額補助対象外となります。見積書の取得・業者との相談はOKですが、発注書・契約書の締結は必ず採択後に行ってください。
省力化投資補助金カタログに登録されている主な配膳ロボット機種
配膳ロボットの主要メーカー製品はカタログ注文型に多数登録されています。以下は公式カタログで確認できる主なブランド・機種の例です。実際の申請にあたっては必ず公式カタログ検索で最新の登録状況を確認してください。カタログは随時更新されるため、掲載・非掲載の状況は変わることがあります。
| ブランド・機種例 | 特徴 | 本体価格目安 | カタログ注文型 |
|---|---|---|---|
| PUDU BellaBot / PuduBot2 | ネコ型UIで集客効果もあり。複数段トレイ積載対応。 | 180〜280万円 | 登録済(公式カタログで確認を) |
| KEENON T8 / T9 | 3〜4段トレイ。大型テーブル配膳に強く、チェーン店導入事例多数。 | 220〜300万円 | 登録済(公式カタログで確認を) |
| PUDU HolaBot | バス収集(下げ膳)用途に特化した大容量コンテナ型。 | 200〜260万円 | 登録済(公式カタログで確認を) |
| パナソニック 自律配膳ロボット | 国産大手。安心のサポート体制とカスタマイズ性が強み。 | 要見積(300万円〜) | 登録状況は公式カタログで確認を |
| Mira Robotics ugo | 国産。飲食店・複合施設向けの多用途モデル。 | 300〜400万円 | 登録状況は公式カタログで確認を |
| OrionStar G2 / G3 | 新興メーカー。コストパフォーマンスが高い。 | 200〜260万円 | 登録状況は公式カタログで確認を |
※価格は目安です。台数・導入費用・付帯工事費は業者・規模によって異なります。カタログ登録の有無は必ず公式製品カタログ検索で最新状況を確認してください。
配膳ロボット導入で補助対象となる付帯設備・工事費
配膳ロボット本体だけでなく、以下の付帯設備・工事費も補助対象に含められる場合があります。実際の補助対象範囲は公募要領で確認し、認定支援機関に相談してください。
- 充電ステーション:ロボット稼働に不可欠な充電設備(機器と一体で申請)
- マッピング・初期設定費:店内レイアウトのマッピング作業・システム初期設定(販売業者による初期セットアップ費)
- Wi-Fi・通信インフラ整備:ロボット運用に必要なネットワーク整備費(機器に付随するものとして申請可能な場合あり)
- トレイ・搬送棚:補助対象機器と一体で使用するための専用トレイや棚(公募要領の「付属品」要件を確認)
- 運用研修費:スタッフへの初期操作研修費(一定条件のもと対象となる場合あり)
付帯費用の対象可否は必ず事前確認
付帯設備・工事費が補助対象になるかどうかは、公募要領の「対象経費」欄と各機器の登録情報で確認が必要です。申請後に対象外と判明すると補助額が減額されるため、認定支援機関(中小企業診断士・行政書士等)への事前相談を強くおすすめします。
(出典:中小企業省力化投資補助事業カタログ注文型 公募要領 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines_catalog.pdf)
補助率・補助上限額の早見表と費用シミュレーション(2026年版)
配膳ロボット導入で受けられる補助額は、従業員数と賃上げ要件の達成状況によって決まります。以下に2026年3月19日の制度改定後の最新の目安を示します。正確な補助額は必ず公式の公募要領または認定支援機関に確認してください。
| 従業員数 | 補助率 | 通常上限額 | 賃上げ特例時の上限額 |
|---|---|---|---|
| 5人以下 | 1/2以内 | 200万円 | 750万円 |
| 6〜20人 | 1/2以内 | 500万円 | 1,000万円 |
| 21人以上 | 1/2以内 | 1,000万円 | 1,500万円 |
※カタログ注文型の場合。上記は目安であり、公募要領改定により変更される場合があります。必ず公式サイトの最新公募要領でご確認ください。
(出典:中小企業省力化投資補助金 公式サイト https://shoryokuka.smrj.go.jp/・2026年3月19日制度改定情報 https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/revision_260319/)
費用シミュレーション①:個人経営・小規模飲食店(従業員5人以下)
シミュレーション①:配膳ロボット1台導入(5人以下)
機器費用(本体1台)
250万円
付帯費用(設定・充電器)
50万円
合計投資額
300万円
補助率・上限
1/2、上限200万円
補助額(上限適用)
200万円
自己負担額
100万円
賃上げ特例(事業場内最低賃金3%以上引上げ+給与支給総額6%以上増加)を達成した場合、上限が750万円に引き上げられ、補助額は150万円(300万円×1/2)、自己負担は150万円になります。
費用シミュレーション②:中規模飲食店(従業員6〜20人)
シミュレーション②:配膳ロボット2台導入(6〜20人)
機器費用(2台)
500万円
付帯費用(設定・充電器2台分)
100万円
合計投資額
600万円
補助率・上限
1/2、上限500万円
補助額
300万円
自己負担額
300万円
賃上げ特例達成時は上限1,000万円。配膳ロボット3台・清掃ロボット1台との複合申請(合計800万円)でも補助率1/2で400万円の補助が可能です。
費用シミュレーション③:チェーン・大規模施設(従業員21人以上)
シミュレーション③:配膳ロボット4台+関連設備(21人以上)
機器費用(4台)
1,000万円
付帯費用(設定・充電器・Wi-Fi等)
200万円
合計投資額
1,200万円
補助率・上限
1/2、上限1,000万円
補助額
600万円
自己負担額
600万円
賃上げ特例達成時は上限1,500万円に引き上げられ、補助額は最大750万円(1,500万円×1/2)となります。10店舗以上のチェーンで一括導入する場合は一般型(補助上限最大1億円)の検討も視野に入ります。
※上記シミュレーションはすべて目安です。実際の補助額は公募要領・認定支援機関との相談で確認してください。補助金は後払いのため、導入時は自己資金または融資での立替が必要です。
賃上げ要件(2026年3月19日改定後)の詳細
補助上限額を通常の最大1.5倍(賃上げ特例)に引き上げるには、以下の賃上げ要件を満たす必要があります。2026年3月19日の制度改定で要件が変更されているため、旧情報で判断しないよう注意してください。
| 要件 | 2026年3月19日改定後の水準 |
|---|---|
| 事業場内最低賃金の引上げ | 地域別最低賃金比で3.0%以上引上げ |
| 給与支給総額の増加 | 年率6%以上の増加 |
(出典:中小企業省力化投資補助金 2026年3月19日制度改定 https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/revision_260319/)
賃上げ特例は必須ではない
賃上げ特例の達成は補助上限額の引上げ条件であり、特例を満たさなくても通常の補助上限額で申請できます。まず通常要件で申請準備を進めながら、賃上げ計画を並行して検討するのが現実的なアプローチです。